四話:「2009年春 ぼく.3」

progressive

2009年02月08日 18:36


元彼ボンバーは、男女二人の『書き物ユニット』

『行き当たりバッタリ短編小説』を気が向いた時に更新中(笑)

特に文学が好きとか、本を読むのが大好きっていうワケではなく~・・・はっはっは

自己満足を追求しつつ
短編小説を通じて、いろいろな方々とのコミュニケーションを深めていけたらと思ってます。

記念すべき?
第一作を更新中です。

ハイペースの更新は・・・無理(笑)

マイペースな二人でお届けいたします
末永いお付合いの程をよろしくお願い申し上げます。


作者:A=滝 剣心
作者:B=綾小路 菊

第一作 →  一話「序章」  二話「2009年春 ぼく.1」  三話「2009年春 ぼく.2」

四話更新
大学の講義を終えたぼくは、バイト先に向かう。

これもあたり前の日課なのです。

働かなくとも親からの仕送りで学費、生活費、オアシスの維持費は十分間に合っている。

『じゃー、なぜ働くの?」
よく聞かれます。

お金が目的ではなく、自分を痛みつけて懲らしめるために働いている。

やはり
ぼくは「M」なのです。

「人間が嫌い」なぼくをどうにかしたい一心で、人と接するバイトを4年続けている。

にも拘らず「人間嫌い」は、相変わらずです。

店には18:00入店。
店内を隅から隅まできれいに磨き上げることから始まる。

「清潔第一」を心がけなくては、お客様に失礼だと、オーナーは言うが、ぼくはそうは思わなかった。

しかしながら店内の掃除は不思議とぼくの心をフラットにしてくれて、不思議な力も与えてくれるのです。

そうだ
何年か前に本で読んだことがある。

「風水の基本は掃除です」
書いてたな。
風水の力なのでしょうか。。。

不思議な力が働き、ぼくをぼくじゃない何者かに簡単に変えてくれる。

掃除を終えると、待ちに待った「まかないタイム」

「まかない」というのは、この店で働く人達の晩御飯のことを言います。

ちなみに、本日の「まかない」は「生ハムメロン」「ミネストローネ」「キャットフィッシュのクリーム煮」それに「葉野菜のサラダ」
どれもぼくのオアシスでとれたものなのです。

「まかない」を作るプロのシェフは、ぼくの作った野菜がお気に入りで毎日、新鮮な野菜をシェフ自らオアシスに足を運んで野菜をとって「まかない」に使っています。

『伸二。お前の作る野菜は世界一の野菜だとワシは思うよ。』

『ありがとう。シェフ。
世界一なのは、当たり前ですよ。』

生意気です。

ここだけの話
実は、ぼくの作る野菜の6割は天皇家の食卓に並ぶブランドなんです。

訳あって、表にはでない情報なのです。


「まかないタイム」を終えるとミーティングです。

昨夜、前年度の売上げ等を比較して、今日の営業の傾向と対策を40分
昨夜のお客様データ、昨年のお客様層データも比較するという徹底振りです。

マネージャーからのご指示が各メンバーに事細かく伝えられる。
正直、この時間が一番退屈に感じられるのはぼくだけなのだろうか?


開店の時間

特別な日のようにめかしこんだメンバーが店内入り口に勢ぞろいした。

そこで一言挨拶が行なわれる。

『お客様を楽しくもてなすこと、お客様を大事に扱うこと、お客様を明日も来店してもらうくらいの気の利いたサービスを心がけて下さい。本日もよろしくお願いします。』

『よろしくお願いします。』

ぼくの一言で店は開店する。

ぼくはこの店のNo.1ホストだからなのです。



一話:「序章」  二話:「2009年春 ぼく.1」  三話:「2009年春 ぼく.2」





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