元彼ボンバーは、男女二人の『書き物ユニット』


特に文学が好きとか、本を読むのが大好きっていうワケではなく~・・・はっはっは
自己満足を追求しつつ
短編小説を通じて、いろいろな方々とのコミュニケーションを深めていけたらと思ってます。
記念すべき?
第一作を更新中です。
ハイペースの更新は・・・無理(笑)
マイペースな二人でお届けいたします
末永いお付合いの程をよろしくお願い申し上げます。
作者:A=滝 剣心
作者:B=綾小路 菊
第一作 → 一話「序章」 二話「2009年春 ぼく.1」 三話「2009年春 ぼく.2」四話「2009春 ぼく.3」
五話更新
今宵も淋しさを紛らわしになのか、沢山のレディースが店を訪れ、お気に入りのメンズをご指名、個室へと急ぐ。
他店と違って、VIP様用にいくつも個室が用意されているのが特徴で、ご贔屓(ひいき)のレディースは個室を好んで高い金を出してまでもお気に入りのメンズと入り浸るのを望んでいるようだ。
勿論ホール席も充実している。
イケメン達に囲まれることを望むレディースはホールで3~5人のメンズと一夜を楽しむ。
『伸二さん。ご指名です。』
仲村 麗
彼女は週1回は来る、いわゆる常連。
そして、必ずぼくを指名する。
『こんばんは。麗さん。うかない顔しているように感じられるけど、どうされました?発するオーラが元気そうですけど・・・』
個室への案内です。
『実はね伸二君。』
麗さんはぼくより年上で、ぼくのことを「君付け」で呼ぶのです。
5店舗の美容室とエステサロン2店舗、レストランを2店舗経営する実業家の彼女は今年で33歳の厄年。
数年前に自殺を試みたが、残念ながらそれは許されず、今も生き続けなくてはならない使命を背負っている。
この店に来るようになって3年近くなる。
彼女が来るたびに走馬灯のように過去がフィードバックしてくるのがとても嫌だった。
「・・・うっ・・・ううぅ・・・苦しい・・・やめろ、やめろ、やめろ・・・」
実の母にいつものように殴られるぼくは、母のことが愛おしくてならなかった。
「愛おしい」なんて言葉はしらなかったが、今考えるとその言葉が当時のぼくの感情にぴったりくる。
決して貧しい生活をしていたわけではありませんでした。
23階建てのマンションの最上階に住んでいたぼくと母は、周りがうらやむくらいの贅沢な暮らしを約束されていた。
上海では、セレブクラスの生活だったのだろう。
母はそんな生活を望んでいなかったのだろう。
ぼくは、うっすらしか記憶に無い。
鮮明に記憶に残っているのは、いつも母に殴られている光景だけが記憶されている。
今でも夢に見る光景は、母の気持ちが心底伝わってくる。
「・・・うっ・・・ううぅ・・・苦しい・・・やめろ、やめろ、やめろ・・・」
母は、ぼくをお腹に身篭った時にぼくの父親に虐待を受けていたと聞く。
父親は母に産んで欲しくなかったのだと聞いた。
上海の日本人向け高級クラブに勤めていた母は、その店で父親と出会った。
人目で、恋に落ちたというから不思議でならない。
月に二度
父親は上海を訪れては、母と密会を繰り返しているうちにぼくがお腹の中に宿った。
幾度かの虐待をも乗り越え、母はぼくを産んだ。
そのことは父親にはとても不都合なことだった。
世間にもれると父親の政治生命(声名)に支障をきたすからである。
その時
父親は既に、一人の子供を持つ家庭を日本に持っていた。
口封じ
多額のお金が母の銀行に振り込まれたと聞く。
毎月、生活費が振り込まれていたと聞いた。
上海の直轄市(ちょうかつし)の23階建てのマンションの最上階に住んでいたぼくと母は、周りがうらやむくらいの贅沢な暮らしを約束されていた。
それは
父親の立場を守るためだと母は言ってた。
そんな母
イギリスの大富豪と一緒になり、ぼくを日本にいる父親に預けた。
それからのぼくは日本人になった。
誰も中国人だということは分からないままに、父親である知花の次男として育てられた。
母が命名してくれた「伸二」
幸い、日本名でよかったと思う。
もし、中国名なら改名されていただろう。
母の痛みが。。。
母のお腹にいる時の痛みが。。。
母に殴られていた時の肉体と心の痛みが。。。
今でも思い起こされる。
麗さんに会った時から、頻繁にある。
麗さんといると、痛みが脳裏をはしるのです。
『伸二君。どうしたの?ぼーっとしてるよ。』
『あっ。。。失礼。。。何の話でしたっけか?』
右手にしている時計をみると麗さんと個室に入ってから8分が経過していた。
又、過去へ行っていたようだ。
『誰にも相談できなくて困っているの。。。伸二君だったら聞いてもらえそうだし、話せる気がして。。。』
『ぼくでよかったら聞いて差し上げますよ。』
ここにも孤独な人間がいた。
『ありがとう。自殺した時のこと憶えているでしょ?!そのキッカケになった人に偶然にも会っちゃったの。何をするってわけじゃないんだけど、その日から毎日のように電話がかかってきて、困ってるんだ。どうやって対処していいかが分からなくてさぁ』
その自殺したキッカケになったのは男性です。
麗さんとその男性は不倫の関係を2年間続けていたのですが、麗さんのお腹に子供が授かったと同時に男性からの扱いが変わって、挙句の果てには暴力を振るわれ、お腹の子は遭えなく流れた。
麗さんは自殺を試みたのです。
偶然というものはなんとも奇妙なもので、その自殺現場の近くにぼくのオアシスがある。
近くにある4階建てのマンションから身投げした麗さんは、ぼくの目の前に落ちてきたのです。
強運の持ち主でもあります。
落ちた場所が、ぼくの野菜を受け取りに来た配送車の上だったのが幸いして打撲程度で済んだ。
麗さんとの縁です。
『とにかく、電話がしつこくて警察にでもって思っても出来ないのよ。その男性の社会的立場を考えると。。。私自身がつぶされてしまうんじゃないかって。。。』
『社会的立場ですか?その男性は、そんなに社会に認められている方なんですか?』
『伸二君だから言うんだよ。誰にも言わないでよ。』
『分かりました。約束は守ります。』
『その人、政治家さんなのよ。世間的にはとても評判もよくて、権力もある人なのよ。知花盛勝って沖縄の政治家。。。伸二君しってる・・・?』
一瞬、真っ青、嫌、真っ暗になったと思ったら星がチカチカと目の前で光り始めた。
頭をおもいっきり、殴られた時みたいに、息が止まり、目の前が薄れ次第に真っ黒・・・チカチカと・・・
ぼくの父親の名前は「知花盛勝」といいます。
政治家です。
麗さんは気付いてない・・・
そう
ぼくは
孫 伸二
一話:「序章」 二話:「2009年春 ぼく.1」 三話:「2009年春 ぼく.2」四話:「2009年春 ぼく.3」
他店と違って、VIP様用にいくつも個室が用意されているのが特徴で、ご贔屓(ひいき)のレディースは個室を好んで高い金を出してまでもお気に入りのメンズと入り浸るのを望んでいるようだ。
勿論ホール席も充実している。
イケメン達に囲まれることを望むレディースはホールで3~5人のメンズと一夜を楽しむ。
『伸二さん。ご指名です。』
仲村 麗
彼女は週1回は来る、いわゆる常連。
そして、必ずぼくを指名する。
『こんばんは。麗さん。うかない顔しているように感じられるけど、どうされました?発するオーラが元気そうですけど・・・』
個室への案内です。
『実はね伸二君。』
麗さんはぼくより年上で、ぼくのことを「君付け」で呼ぶのです。
5店舗の美容室とエステサロン2店舗、レストランを2店舗経営する実業家の彼女は今年で33歳の厄年。
数年前に自殺を試みたが、残念ながらそれは許されず、今も生き続けなくてはならない使命を背負っている。
この店に来るようになって3年近くなる。
彼女が来るたびに走馬灯のように過去がフィードバックしてくるのがとても嫌だった。
「・・・うっ・・・ううぅ・・・苦しい・・・やめろ、やめろ、やめろ・・・」
実の母にいつものように殴られるぼくは、母のことが愛おしくてならなかった。
「愛おしい」なんて言葉はしらなかったが、今考えるとその言葉が当時のぼくの感情にぴったりくる。
決して貧しい生活をしていたわけではありませんでした。
23階建てのマンションの最上階に住んでいたぼくと母は、周りがうらやむくらいの贅沢な暮らしを約束されていた。
上海では、セレブクラスの生活だったのだろう。
母はそんな生活を望んでいなかったのだろう。
ぼくは、うっすらしか記憶に無い。
鮮明に記憶に残っているのは、いつも母に殴られている光景だけが記憶されている。
今でも夢に見る光景は、母の気持ちが心底伝わってくる。
「・・・うっ・・・ううぅ・・・苦しい・・・やめろ、やめろ、やめろ・・・」
母は、ぼくをお腹に身篭った時にぼくの父親に虐待を受けていたと聞く。
父親は母に産んで欲しくなかったのだと聞いた。
上海の日本人向け高級クラブに勤めていた母は、その店で父親と出会った。
人目で、恋に落ちたというから不思議でならない。
月に二度
父親は上海を訪れては、母と密会を繰り返しているうちにぼくがお腹の中に宿った。
幾度かの虐待をも乗り越え、母はぼくを産んだ。
そのことは父親にはとても不都合なことだった。
世間にもれると父親の政治生命(声名)に支障をきたすからである。
その時
父親は既に、一人の子供を持つ家庭を日本に持っていた。
口封じ
多額のお金が母の銀行に振り込まれたと聞く。
毎月、生活費が振り込まれていたと聞いた。
上海の直轄市(ちょうかつし)の23階建てのマンションの最上階に住んでいたぼくと母は、周りがうらやむくらいの贅沢な暮らしを約束されていた。
それは
父親の立場を守るためだと母は言ってた。
そんな母
イギリスの大富豪と一緒になり、ぼくを日本にいる父親に預けた。
それからのぼくは日本人になった。
誰も中国人だということは分からないままに、父親である知花の次男として育てられた。
母が命名してくれた「伸二」
幸い、日本名でよかったと思う。
もし、中国名なら改名されていただろう。
母の痛みが。。。
母のお腹にいる時の痛みが。。。
母に殴られていた時の肉体と心の痛みが。。。
今でも思い起こされる。
麗さんに会った時から、頻繁にある。
麗さんといると、痛みが脳裏をはしるのです。
『伸二君。どうしたの?ぼーっとしてるよ。』
『あっ。。。失礼。。。何の話でしたっけか?』
右手にしている時計をみると麗さんと個室に入ってから8分が経過していた。
又、過去へ行っていたようだ。
『誰にも相談できなくて困っているの。。。伸二君だったら聞いてもらえそうだし、話せる気がして。。。』
『ぼくでよかったら聞いて差し上げますよ。』
ここにも孤独な人間がいた。
『ありがとう。自殺した時のこと憶えているでしょ?!そのキッカケになった人に偶然にも会っちゃったの。何をするってわけじゃないんだけど、その日から毎日のように電話がかかってきて、困ってるんだ。どうやって対処していいかが分からなくてさぁ』
その自殺したキッカケになったのは男性です。
麗さんとその男性は不倫の関係を2年間続けていたのですが、麗さんのお腹に子供が授かったと同時に男性からの扱いが変わって、挙句の果てには暴力を振るわれ、お腹の子は遭えなく流れた。
麗さんは自殺を試みたのです。
偶然というものはなんとも奇妙なもので、その自殺現場の近くにぼくのオアシスがある。
近くにある4階建てのマンションから身投げした麗さんは、ぼくの目の前に落ちてきたのです。
強運の持ち主でもあります。
落ちた場所が、ぼくの野菜を受け取りに来た配送車の上だったのが幸いして打撲程度で済んだ。
麗さんとの縁です。
『とにかく、電話がしつこくて警察にでもって思っても出来ないのよ。その男性の社会的立場を考えると。。。私自身がつぶされてしまうんじゃないかって。。。』
『社会的立場ですか?その男性は、そんなに社会に認められている方なんですか?』
『伸二君だから言うんだよ。誰にも言わないでよ。』
『分かりました。約束は守ります。』
『その人、政治家さんなのよ。世間的にはとても評判もよくて、権力もある人なのよ。知花盛勝って沖縄の政治家。。。伸二君しってる・・・?』
一瞬、真っ青、嫌、真っ暗になったと思ったら星がチカチカと目の前で光り始めた。
頭をおもいっきり、殴られた時みたいに、息が止まり、目の前が薄れ次第に真っ黒・・・チカチカと・・・
ぼくの父親の名前は「知花盛勝」といいます。
政治家です。
麗さんは気付いてない・・・
そう
ぼくは
孫 伸二
一話:「序章」 二話:「2009年春 ぼく.1」 三話:「2009年春 ぼく.2」四話:「2009年春 ぼく.3」